美容ビジネス〜中国美容市場で成功するには

2021年が始まりました。
本年は、美容ビジネスでの企業競争優位性を図るべく、人的資産(経営者・従業員・顧客)と構造的資産(テクノロジー)といった無形資産価値を利用し、ビューティーテック新規事業化を図る年になると考えています。
いきなりですが、中国美容市場を攻略するためのポイントは何なのでしょうか?
中国女性の美容に関する興味は、急速に高まりました。その要因は、中国経済の発展とSNSの浸透と言われています。
裕福になった中国女性たちは、ソーシャルメディアで拡散された情報を得ることで、数年前とは比べものにならないほど、どんどん美意識を高めています。
化粧品へのニーズ、各種美容サロンのサービス、日本の美容製品、サービスへの信頼度が高い今、中国美容市場狙いの戦略を考えます。

目次

化粧品消費大国「中国」
ライブコマースマーケティング
越境EC施策

化粧品消費大国「中国」

中国国家統計局の発表によると、2019年、中国の化粧品小売総額は約2,992億元(約4.8兆円)でした(前年は2,602億元で約12%増)。これはアメリカに次ぐ、世界第2位の化粧品消費大国ということになります。
2020年1~10月は、新型コロナウイルスの感染拡大により社会消費品の小売総額が減少している中、2,569億元と好調を維持しています。
また、中国の国別化粧品輸入総額では、2年連続で日本が1位で、2019年は、前年比33.8%増の132億3,183万ドルで過去最多でした。
2020年1~10月の輸入額は、すでに前年を上回り、160億ドル近くなっていて、中国市場において日本の化粧品は非常に人気が高い事がわかります。
参照:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/bde2e2c570b762b8.html
JETROの調査においても、購入したいと思う製品・サービスの原産国の「化粧品・美容」カテゴリーでは、「日本」と答えた割合は実に40.4%と最も多い結果になっています。
日本においても、財務省貿易統計による化粧品輸出先の1位は中国で、全体の約30%を占めています。
既に日本の化粧品メーカーが続々と中国へ進出していますが、中国美容市場は、これからも更に拡大が見込めるため、まだたくさんのビジネスチャンスがあります。

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参照:https://jiliyan.net

化粧品消費大国となった中国では、様々な中国企業がSNSを活用して、先進的なプロモーションを実施し、成果を上げています。
広東省広州市に本社を置く広州逸仙電子商務は、2015年に設立された企業で、2017年にコスメブランド「完美日記」(PERFECT DIARY)を立ち上げました。
完美日記は、中国の若者をメインターゲットとしていて、アイシャドーや口紅といったメイク用品を主力商品とし、安価でポップなデザインが若い世代から支持を集め、大手ECサイト「天猫国際」が11月に実施するビッグセール(ダブルイレブン)では、2018年以降3年連続で、初日販売額が1億元を超えました。
また広州逸仙電子商務の2019年の売上額は、前年の約4.6倍の35億元と急増し、2020年11月には米国ニューヨーク証券取引所に上場、上場初日の時価総額はなんと78億ドルを超えました(「ブルームバーグ」11月20日付)。

ライブコマースマーケティング

中国でビジネス展開する日系企業は、SNSをフルに活用したプロモーションを展開しています。

中国では、KOLを起用したマーケティングの実施や、日本同様、インフルエンサーを招いたイベントが開催されていましたが、最近はライブ配信によるプロモーションが多く見られます。

資生堂は2020年11月、大手越境ECサイト「天猫国際」のダブルイレブンのECビッグセール期間中に、日本からライブ配信を行いました。
それも、社員が自らが自社商品「マキアージュ」のアピールを行い、中国の視聴者にアピールしました。
出演した北原規稚子バイスプレジデントは「日本では一般的にインフルエンサーが宣伝する場合が多いが、中国では一周回ってメーカー側の話を聞きたいという人が増えた」と語っています。

中国インターネット情報センターが発表した「第46回中国インターネット発展状況統計報告」によると、中国のライブ配信アプリの利用者数は、2020年6月時点で5億6,230万で、インターネット利用者の59.8%を占めています。
このうち、ライブ配信とECを組み合わせたライブコマースの利用者数は3億人を超え、2020年4~6月の3カ月間で4,430万人増えています。
コロナ禍で外出が制限される中、EC利用が急増し、ライブコマースへの認知度が一気に高まり、購買に繋がっていると考えられます。

越境EC施策

越境EC施策

多様な商品が、中国人から人気を得ている資生堂では、日本企業としては早々に、天猫国際(Tmall Global)に旗艦店を開設し、中国向けの越境ECに取り組み、成功しています。

サイトを見ると、洗顔やシャンプー、マスクパックなどを中心としたドラッグストア商品が中心ですが、これらの商品は、中国の代購(ソーシャルバイヤー)に人気の商品ばかりで、あえて越境ECで販売することで、購買力を刺激する効果的な戦略だと思います。

各商品は、日本の実店舗の価格よりは割高になっていますが、あえて越境ECでの値段と比較させることで、ブランド認知度をさらに高めるという上でも、越境ECでの商品露出は効果的なマーケティングと言えます。

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マツモトキヨシの天猫国際(Tmall Global)オープンは、2015年9月でした。
日本のドラッグストアとしては、越境ECへの取り組みが早く、WeChat公式アカウントやWeiboにも積極的に取り組んでいます。

今後、自社独自のECサイトを構築したほうがビジネスメリットが大きいと思いますが、デジタルマーケティング戦略でここまで成功しているマツモトキヨシは、中国国内での随一なブランディングを確立したといっても良いと思います。

日本製品の越境EC施策、中国で未発売の日本美容商品にも、まだまだチャンスはあります。
しかしながら、メイドインジャパンに対しての強い信頼度から、以前に比べて中国女性が高品質な物に対して、とても敏感になっているのも事実です。
SK-Ⅱ、クレ・ド・ポー、アルビオン、、、日本のデパコスでの根強い人気商品や、ソフィーナ、minon、、、人気のドラッグストアコスメなど、商品開発のベンチマークも国内でしっかり行いながら、成功事例を元に、デジタルマーケティングの施策を練る、、
レッドオーシャンに見えて、まだ参入の余裕が感じられます。

人口減少していく日本よりも、人口14億人超えの中国市場へ目を向けて、美容ビジネスで勝てるチャンスを現実にしていきませんか?

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